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広告代理店のオンボーディング|新規案件で受け取る情報と確認方法

(運営:株式会社adding)編集方針

広告代理店のオンボーディングでは、資料を一式受け取るだけでは出稿準備の完了といえません。商材事実、使えない表現、成果として扱う行動、広告を承認する人、実作業に必要な権限を分け、それぞれに「誰が提出し、誰が確かめるか」を置くことが出発点です。

受付時の判断基準は、項目ごとの受領条件です。顧客の提出者が埋めた内容を、代理店の確認責任者が根拠資料や管理画面と照合し、不明点が残る項目は未受付にする。この線引きがあれば、情報の抜けを出稿直前に探す状態を避けられます。

ただし、五つの項目を同じ方法で確認してはいけません。商材事実は根拠資料、成果定義は最適化対象、権限は実行予定の操作というように、受付の判定対象が異なるからです。

広告代理店のオンボーディングは「受領」と「確認」を分ける

顧客が入力したことと、代理店が出稿に使える状態だと判断したことは別です。担当者名だけを一列にすると、提出した人が内容の妥当性まで保証したように見え、確認の所在が曖昧になります。

運用上の提案として、受付表には最低でも「提出者」「確認責任者」「確認方法」「判定」の列を設けます。提出者は情報の出所を示す役割、確認責任者は出稿作業へ渡せるかを判定する役割です。判定は「受付済み」「要確認」「未提出」のように状態を明示します。資料の到着時点では「要確認」とし、照合後に確認責任者が更新します。

提出者には、顧客側でその情報を管理している人を記入します。確認責任者には、代理店側で内容を照合し、差し戻しの要否を決める人を置きます。二つの役割を分けると、顧客から受け取る内容に加え、代理店が次工程へ進める前の確認事項まで受付表に残せます。

新規案件の受付判断表

次の表は、公式資料にある権限、コンバージョン目標、不実表示の考え方から組み立てた運用上の提案です。媒体が指定する必須様式ではありません。案件ごとの契約範囲、商材、利用媒体に合わせて項目を足し引きし、出稿可否を人が判断するために使います。

受付項目顧客側の提出内容・提出者代理店側の確認責任受付済みにする条件要確認・差し戻し条件
商材事実商品・サービスの提供内容、適用条件、対象外条件と、その情報を管理する提出者根拠資料と広告・リンク先に使う説明を照合する表現の根拠と適用範囲を確認できる根拠が不明、重要な条件が欠ける、資料間で内容が食い違う
禁止表現法務・ブランド・業界上使わない表現、条件付きで使える表現、その判断者制作時に避ける語句、誤解を招く省略、効果表現を確認する禁止・条件付き・確認不要の区分と相談先が分かる単語一覧しかなく、言い換えや例外の判断者が不明
成果定義顧客に取ってほしい行動、その行動を成果とする条件、事業側の提出者コンバージョンアクションと最適化に使う目標を管理画面で照合する行動、計測対象、最適化対象の対応を説明できる成果の名称だけで対象行動が不明、または目標の選択が未確認
承認者広告文、画像、リンク先、計測設定などの承認者と、不在時の代替者何を誰に確認し、どの状態を承認済みとするかを管理する承認対象、承認者、承認を残す場所が定まっている窓口はいるが最終判断者が不明、対象ごとの承認範囲が曖昧
権限対象アカウント、付与先、付与した権限、招待の承認者予定する操作と実際の権限レベルを管理画面で照合する必要な操作を実行でき、過不足を確認済みログインはできるが必要操作ができない、またはリンク・所有範囲が未確認

五行への記入は情報の受領を示します。出稿可否は、各行の確認責任者が受付条件を満たしたと判定した後に決めます。要確認が残る場合は、確認事項、回答者、回答を反映する場所を同じ行に記録し、口頭回答も根拠資料や承認記録へ反映してから閉じます。

受付表の列や判定語を案件ごとに変えると、引き継ぎ時に読み替えが増えます。共通項目を固定する考え方は、広告運用を標準化する手順とつながります。アカウント作成後の識別方法まで揃えるなら、広告アカウントの命名ルールも受付時に確認すると、誰が見ても対象を特定しやすくなります。

商材事実と禁止表現は適用条件まで受け取る

商材事実として、広告で訴求する特徴に加え、提供条件、対象外となる条件、各記述の根拠資料を受け取ります。提出者欄には、その情報を管理し、更新時に回答できる人を記録します。

2026年10月1日時点で、Google 広告の不実表示に関するポリシーは、ユーザーを騙す目的で商品に関する情報を故意に掲載しないことや、商品・サービス・ビジネスについて誤解を招く情報を広告またはリンク先に表示することを許可していません。不正確な主張や、現実味のない効果を見込みがあるように示す文言も許可していません。

したがって、受付では禁止語との照合に加え、重要情報の欠落と効果表現も確認対象にします。条件付きで使える表現には、必要な条件、根拠を確認する資料、最終判断者を紐づけます。この欄は制作担当が判断に迷ったときの確認先を固定するものであり、掲載可否は根拠と適用条件を確認した人が判断します。

禁止表現の提出者がブランド担当で、商材条件の提出者が事業担当という場合も、一つの「顧客確認済み」にまとめません。誰がどの範囲を提出したかを残し、代理店側の確認責任者が広告とリンク先の両方を照合して判定します。

成果定義は「何を数えるか」と「何で最適化するか」を分ける

成果欄に「問い合わせ」「購入」とだけ書かれていても、運用に使える定義とは限りません。受付表では、顧客に取ってほしい行動、その行動を成立とみなす条件、対応するコンバージョンアクション、最適化対象として選ぶ目標を分けて記入します。

2026年10月1日時点のGoogle 広告公式資料では、コンバージョンアクションは顧客に取ってもらいたい行動であり、関連カテゴリに基づいてコンバージョン目標を形成すると説明されています。また、キャンペーンの最適化では、アカウントのデフォルトのコンバージョン目標を使うか、キャンペーン固有の目標を明示的に選べます。

このため、顧客から成果の名称を受け取り、代理店の確認責任者が管理画面上のアクションと目標の選択を照合します。アカウント共通の目標を使うのか、対象キャンペーン固有の目標を使うのかが未決なら、成果定義は要確認です。

顧客側の提出者は、事業上望む行動を定義できる人にします。代理店側は、その定義が管理画面の設定にどう対応するかを確認します。事業上の成果を代理店だけで決めたり、管理画面の項目名だけで顧客の意図を推測したりせず、両者の対応が確認できた時点を受付完了とします。

承認者は判断範囲と一緒に登録する

窓口担当者が分かっていても、広告文、画像、リンク先、計測設定の最終判断をすべて行えるとは限りません。運用上の提案として、承認者の行には「承認対象」「最終承認者」「代替承認者」「承認記録の場所」を記入します。

確認責任者は、登録された人の判断範囲まで確認します。広告表現はブランド担当、提供条件は事業担当というように判断範囲が分かれるなら、行も分けます。代理店内では、顧客へ確認を依頼する人と、承認記録を確かめて出稿工程へ渡す人を区別します。

担当者の不在に加え、承認対象を特定できない回答も差し戻しの対象です。「確認しました」という回答があっても、何を確認したのか、修正版のどれが承認対象かを特定できなければ要確認です。承認済みの対象と記録場所が結び付いて初めて、後工程で判断を再現できます。

権限は予定する操作と照合する

権限欄に「付与済み」とだけ記録すると、実作業を始めてから操作できない箇所が見つかります。受付時に、キャンペーン編集、サービス間リンクの設定、ユーザー管理など、代理店が担当する操作を先に列挙し、付与された権限と対応させます。

2026年10月1日時点のGoogle 広告アカウントのアクセス権の概要では、閲覧、キャンペーン編集、サービス間リンクの追加・削除、他ユーザーのアクセス管理など、実行できる操作が権限レベルによって異なります。つまり、ログインできることは、予定するすべての操作が可能であることを意味しません。

同資料によれば、広告主がMCCアカウントへのリンク招待を承認すると、そのMCCの管理者権限ユーザーはキャンペーンを管理できます。さらに、MCCがオーナーに設定されている場合は、ユーザーのアクセス権、管理者、サービス間リンク設定も編集できます。そのため、リンク状況とオーナーの範囲を確認対象にします。

顧客側には対象アカウントと招待を承認する人を提出してもらい、代理店側では実際の管理画面を確認します。照合対象は、契約上担当する操作に必要な権限と、実際に付与された権限です。不一致なら、追加付与を依頼するか、該当操作を代理店の担当範囲から外すかを決めるまで未受付とします。

出稿開始の判定を一行で残す

五項目の確認後は、案件全体の判定欄に「開始可」「条件付き」「開始不可」のいずれかと、その根拠となる未解決行を記録します。この判定欄も運用上の提案であり、媒体の必須仕様ではありません。受付表を実際の開始判断につなげるために設けます。

「条件付き」にするなら、未解決でも進める作業、進めない作業、最終確認者を具体化します。商材条件が未確認なのに広告表現を確定する、成果目標が未確認なのに最適化対象を決める、必要操作と権限が一致しないのに出稿準備完了とする、といった状態は避けます。

受付表の情報をAIで整理する場合も、資料から候補を抜き出す工程と、受付済みを判断する工程を分けます。広告代理店での活用範囲は広告代理店のAI・DXで整える業務で整理できますが、商材の正確性、表現の可否、成果目標、承認、権限の最終確認は各行の責任者が行います。

開始可にするのは、五つの行が受付済みで、承認記録と必要権限を確認できた案件です。条件付きなら、未解決行、止める作業、再判定する責任者を判定欄に残します。開始不可なら、解消条件を該当行へ戻します。こうして受付結果を次の行動まで書けば、オンボーディングの完了と出稿開始の判断を同じ表で引き継げます。

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