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広告レポート・分析広告レポート自動化ツールツール選定

広告レポート自動化ツールの選び方|導入前に比べる7つの項目

(運営:株式会社adding編集方針

広告レポート自動化ツールは、搭載機能の多さだけで選ぶと運用に合わないことがあります。先に確認したいのは、データ取得、整形、可視化、コメント作成、確認、提出のうち、どの作業を減らしたいかです。

媒体から数字を集める時間が課題なのに、文章生成に強いツールを入れても月初の負荷は残ります。反対に、数字はすでに一つの表へ集まっているなら、新しい連携基盤より、変化の抽出やコメントの下書きを支援する仕組みが合うかもしれません。

この記事では、特定の製品を順位付けせず、広告代理店が候補を比較するときの七つの項目を整理します。レポート作業全体の分け方から確認したい場合は、先に広告レポートを自動化する方法をご覧ください。広告代理店の業務全体でAIの使いどころを探している方には、広告代理店のAI活用・DX入門も参考になります。

先に決めるのは、ツール名ではなく減らす作業

まず、直近に提出したレポートを一つ開き、作成を始めてから提出するまでの行動を並べます。「レポート作成」という一つの箱に入れず、次のように分けてください。

  • 媒体の管理画面から数値を取得する
  • 媒体ごとに違う列名や形式をそろえる
  • スプレッドシートやダッシュボードを更新する
  • 前月比や目標比から、説明すべき変化を選ぶ
  • 施策履歴を探し、要因候補を整理する
  • クライアント向けのコメントを書く
  • 元データと表現を確認し、提出する

各作業について、担当者、所要時間、入力、完成物、差し戻し理由を記録します。もっとも時間が長い作業だけでなく、毎回手が止まる作業や、担当者によって結果が変わる作業にも印を付けます。

この整理をせずに比較を始めると、「連携媒体数が多い」「AIを搭載している」といった目立つ機能に判断が引っ張られます。必要なのは、現在の詰まりを一つ解消し、その前後の工程と無理なくつながることです。

広告レポート自動化ツールは四つの型に分ける

候補を同じ土俵で比べる前に、主な役割で四つに分けます。一つの製品が複数の型を兼ねる場合もありますが、何を中心に解決する仕組みなのかを見ると違いが分かりやすくなります。

向いている状況確認したい点
媒体標準のレポート機能一媒体の定型報告を繰り返す他媒体との統合、提出形式、共有相手の権限
スプレッドシート・BI自社の指標や見せ方を細かく作る接続方法、更新失敗の検知、保守担当者
広告レポート専用ツール複数案件・複数媒体を共通の型で管理する対応媒体、アカウント階層、テンプレートの変更範囲
自動化・AI支援変化の抽出、要因候補、コメント作成を補助する根拠表示、推測の扱い、人の承認を残せるか

媒体標準の機能で足りる作業に、最初から外部ツールを追加する必要はありません。一方で、媒体をまたぐ集計やクライアントごとの提出形式が増えると、専用ツールやBIを組み合わせる選択肢が出てきます。

AI支援も、データ取得の代わりになるとは限りません。数値をどこから受け取り、誰が正しさを確認するのかまで含めて比較します。

比較表は七つの項目で作る

候補を二、三個に絞ったら、製品紹介ページの文言だけで判断せず、同じ質問を各社へ確認します。比較表には、少なくとも次の七項目を入れます。

比較項目確認する質問デモや試用で見るもの
1. 対応媒体とアカウント階層必要な媒体、代理店アカウント、子アカウントに対応するか実際の権限構成で接続できるか
2. 出力形式と共有方法スプレッドシート、PDF、画面共有など必要な形で渡せるかロゴ、注記、閲覧範囲を案件ごとに変えられるか
3. データ定義と追跡性指標の定義、集計期間、取得時刻を確認できるか表の数字から媒体・キャンペーンまで戻れるか
4. AIコメントの範囲事実、要因候補、施策案を区別して出せるか文章の根拠となった指標をたどれるか
5. 権限とデータの扱い顧客ごとに権限を分け、操作履歴を残せるか保存期間、外部送信、学習利用、退職者の権限解除
6. 障害対応と保守更新失敗や媒体仕様変更をどう知らせるか最終更新時刻、再取得、問い合わせ窓口
7. 総コスト初期設定、月額、従量、保守に何がかかるか社内の設定・確認・修正時間を含めて比べる

「対応」と書かれていても、必要な粒度で取得できるとは限りません。キャンペーンまでは取れても広告別のデータが取れない、独自のコンバージョン定義を反映できない、といった違いがあります。自社で使う指標名と提出形式を持ち込み、画面上で確かめます。

また、更新に成功したときと、失敗したときの動きを確認します。前月の数字が残ったまま見た目だけ更新されると、担当者は異常に気づきにくくなります。最終取得時刻、欠損の表示、通知、再取得の手順まで確認してください。

無料で始められる範囲を先に使う

一媒体の定型レポートであれば、媒体側の機能だけで減らせる作業があります。Google広告では、統計情報の表を列、分割、フィルタで調整して保存し、定期的なメール送信を設定できます(Google広告ヘルプ「統計情報の表からレポートを作成、保存、スケジュール設定する」)。

Google広告のデータをスプレッドシートで扱いたい場合は、公式のGoogle Adsアドオンでレポートを作り、更新スケジュールを設定する方法もあります(Google広告ヘルプ「Google Adsアドオンでレポートを作成する」)。現在の課題が「毎回CSVを出し直している」ことなら、まずこの範囲で試せます。

Looker StudioのようなBIを使えば、既存のデータソースからダッシュボードを構成できます。ただし、Google以外が提供するコネクタを利用する場合は、組織の管理者設定やコネクタ側の保守状況も確認が必要です。管理者はGoogle提供以外のコネクタを無効にでき、Apps Scriptが無効な環境ではコミュニティコネクタが動作しないことがあります(Looker Studioヘルプ「サードパーティ製コネクタに関するポリシー」)。

ここでいう「無料」は、保守まで不要という意味ではありません。接続が切れたときに誰が直すか、列の追加でグラフが崩れないか、担当者の異動後も更新できるかを含めて判断します。

AI機能は、文章の自然さより根拠をたどれるかを見る

同じ数値表から自然なコメントが出ても、それだけで実務に使えるとは限りません。確認したいのは、どの数字を根拠にし、どこからを推測として書いたのかです。

試用時には、AIの出力を次の四つに分けられるか見ます。

  1. 確認済みの事実:目標比、前月比、変化の大きい指標
  2. 要因候補:事実を説明しうる仮説
  3. 追加の確認事項:結論を出す前に不足している情報
  4. 次の行動案:担当者が検討する施策候補

たとえばCPAが悪化したとき、AIが「広告クリエイティブが原因です」と断定するより、CPC、CTR、CVRのどこに変化があるかを示し、施策履歴の確認を促すほうがレビューしやすくなります。広告主側の在庫や営業状況など、広告データだけでは分からない事情もあります。

広告レポートのAI運用支援では、既存の帳票や運用フローを前提に、コメント、要因候補、次月アクション、レビュー観点を下書きする流れを設計します。AIが下書きし、担当者が元の指標を確認して、顧客へ出す内容を判断します。

デモでは、自社の一帳票を最後まで通す

用意されたサンプル画面だけでは、自社の指標、権限、提出形式に合うか判断できません。可能であれば、一社、一帳票、一か月分のデータを使い、取得から提出前の確認まで通します。実データを渡せない段階では、列構成をそろえた架空データで試します。

デモや試用で通常の操作を一通り終えたら、次の例外も確認します。

  • 媒体の認証が切れたとき、誰にどのような通知が届くか
  • 取得できない指標があったとき、空欄とゼロを区別できるか
  • 月途中でコンバージョン定義を変えた場合、注記を残せるか
  • 担当者が数字を修正した場合、変更履歴を追えるか
  • クライアントごとに見せる範囲と編集権限を分けられるか
  • AIコメントを採用しなかった理由を記録できるか

完成まで通すと、ツールの操作時間だけでなく、社内確認や提出形式の調整にかかる時間も見えてきます。自動化の外側に残る手作業こそ、導入後の負担になります。

費用対効果は、提出までの総時間で見る

費用を比べるときは、月額料金に加え、初期設定、テンプレート作成、連携の保守、担当者の確認、差し戻し修正を含めます。アカウント数やデータ量で料金が変わる場合は、現在と半年後の案件数で見積もります。

効果も「レポート生成が何分になったか」だけでは測りません。次の式で、導入前後を同じ範囲で比べます。

月間の削減時間 = 導入前の取得から提出までの総時間 − 導入後の取得から提出までの総時間

この削減時間と、ツール料金、初期設定費、社内の保守時間を並べます。作成時間が短くなっても差し戻しが増えた場合は、入力データ、確認ルール、AIへ任せる範囲のいずれかを見直します。

導入効果として記録したいのは、作業時間、差し戻し回数、数値不一致の件数、提出遅延、分析や提案へ使えた時間です。速さと品質を同じ表で追うと、別の案件へ広げる判断がしやすくなります。

導入前の要件メモを一枚で作る

比較を始める前に、要件を一枚へまとめます。長い提案依頼書を作る必要はありません。次の項目があれば、製品ごとに同じ条件で質問できます。

  • 対象とするクライアント、媒体、アカウント数
  • 現在の入力データと提出形式
  • 減らしたい作業と、現在かかっている時間
  • 必須の指標、集計期間、コンバージョン定義
  • AIへ任せる範囲と、人が確認・承認する範囲
  • 顧客データの保存、共有、削除に関する条件
  • 更新失敗時の通知先と復旧を担当する人
  • 試用後に継続を判断する指標

最後に、直近のレポートを一つ選び、七項目の比較表を埋めてください。候補を増やすより、同じ帳票を各ツールで試し、提出までに残る作業を比べます。広告レポート自動化ツールの選定は、機能表を眺める作業ではありません。来月の運用で、どの手作業を減らし、どの判断を人に残すかを決める作業です。

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