広告運用の定例会を報告会で終わらせない|アジェンダと進め方
広告運用の定例会で目指す成果は、先月の数字を読み上げることではありません。会議が終わった時点で、何を続け、何を変え、誰がいつまでに確認するかが決まっている状態を作ります。
そのためには、報告する事実、理由を確かめる質問、次月に試す施策、相手と合意したい内容を事前に分けます。資料の説明に時間を使い切ると、施策を選ぶ議論が後回しになります。
本記事では、月次の広告運用定例を想定し、準備から会議後の記録までを整理します。広告代理店のAI活用全体を確認したい方は広告代理店のAI活用・DX入門、数字がそろうまでの工程を見直したい方は広告レポートを自動化する方法も参考にしてください。
定例会のゴールを、一文で決めてから資料を作る
定例会のゴールは案件の段階で変わります。配信開始直後なら計測と初期仮説の確認、安定運用中なら目標との差と次の検証、繁忙期前なら予算配分や制作計画の合意が中心です。
会議を設定するとき、ゴールを一文で書きます。
前月実績を確認し、一般語キャンペーンの改善案を一つ選び、実施条件と担当を決める。
この一文があれば、必要な資料を選べます。今回決めない論点を資料へ詰め込みすぎることも減ります。
参加者にもゴールを共有します。決裁が必要なのに決裁者が不在なら、その場で結論は出ません。誰が判断し、誰が材料を補足し、誰が実行するかを先に確認します。
アジェンダは、事実・確認・合意・行動の順に並べる
話す順番を毎回そろえると、参加者が現在地をつかみやすくなります。次の四区分を基本にします。
| 区分 | 話す内容 | 会議で得たい結果 |
|---|---|---|
| 事実 | 目標、実績、前期間からの変化 | 認識をそろえる |
| 確認 | 要因候補、未確認情報、質問 | 仮説を絞る |
| 合意 | 次月施策、予算、優先順位 | 実施内容を決める |
| 行動 | 担当、期限、確認方法 | 会議後に動けるようにする |
最初から原因の議論へ入ると、前提となる数字が参加者ごとに違うことがあります。まず事実を短く確認し、次に広告主側でしか分からない事情を聞きます。合意した施策は、会議後に追える単位へ落とします。
「次月も改善を続ける」という結論では、行動が決まりません。「検索語句を担当者が確認し、除外候補を金曜日までに共有する」と書けば、完了を確認できます。
数字は、会議で読む前に共有しておく
会議中に初めて大きな表を見ると、参加者は数字を理解するだけで時間を使います。可能であれば、主要な実績と論点を事前に共有します。
Google広告のダッシュボードでは、スコアカード、表、グラフ、メモを組み合わせ、掲載結果を一か所で確認できます(Google広告ヘルプ「ダッシュボードを作成して編集する」)。媒体の画面や既存ダッシュボードを共通の事実確認に使い、定例資料には判断に必要な要点を載せます。
事前共有する内容は多くなくて構いません。
- 目標と主要実績
- 前月から大きく変わった点
- 実施済み施策と、その後の動き
- 会議で確認したい質問
- 合意を求める施策案
参加者には「目を通してほしい箇所」と「会議で決めたい箇所」を明記します。最新版の共有先も一つに決め、閲覧できるか確認します。
事前資料には、集計の締め日時も添えます。会議当日に管理画面の数字が更新されていても、資料作成時点との差だと分かれば、誤集計と取り違えずに済みます。計測遅延や未確定の成果がある場合は、確定値のように見せず、更新予定と確認担当を記載します。
参加者から事前に質問が届いたら、回答できる項目、会議で確認する項目、追加調査が必要な項目へ分けます。担当者だけで決められない質問は、決裁者や制作担当へ会議前に共有します。定例の時間を資料探しに使わず、選択肢を比較するための準備です。
Cotomuは、会議前の材料を三種類に整理する場面で使う
定例日の数日前に、確定したレポート、当月の施策メモ、前回のToDoをそろえます。クライアント定例のAI運用支援では、この材料から次の三種類を下書きする使い方を想定しています。
- 事実として短く報告する項目
- クライアントへ確認したい質問
- 今回合意したい次月アクション
たとえばCVRが低下していても、在庫やフォーム変更が未確認なら、AIは原因を確定しません。「LP更新の有無を確認する」「デバイス別の差を見る」といった質問や確認候補を作ります。担当者は元データと顧客事情を照合し、話す順番と提示する施策を決めます。
会議後の発言や承認までAIへ任せる運用ではありません。Cotomuが作るのは準備の草案であり、顧客との約束や予算判断は担当者が行います。
会議中は、仮説より先に追加情報を聞く
代理店側で立てた要因候補は、会議で検証します。広告主は、在庫、営業現場、競合状況、商品への問い合わせなど、媒体データにない情報を持っています。
質問は抽象的にせず、数字との関係が分かる形にします。
- フォーム完了率が落ちた時期に、入力項目や導線の変更はあったか
- 成果数が落ちた商品で、在庫切れや納期変更はなかったか
- 指名検索が増えた期間に、テレビ、SNS、展示会など別施策はあったか
- 問い合わせ後の商談化率に変化はあったか
回答によって仮説が変わったら、その場で資料の説明を守ろうとせず、次に確認することを決めます。分からない内容を無理に結論へまとめる必要はありません。
合意事項は、施策名だけで終わらせない
会議の最後に、合意事項を読み上げます。記録には次の五項目を入れます。
| 項目 | 記録例 |
|---|---|
| 実施内容 | 一般語の検索語句を確認し、除外候補を作る |
| 担当 | 運用担当者 |
| 期限 | 次回週次確認の前日 |
| 承認 | 候補一覧をクライアント担当者が確認 |
| 評価 | 対象区分の費用、成果数、CPAを確認 |
予算変更、配信停止、公開物の変更には、権限を持つ人の承認を残します。会議中に口頭で決まった内容も、終了後に文章で共有します。
前回のToDoが完了していない場合は、責任追及から入るより、止まった理由を確認します。情報不足、承認待ち、優先順位の変更など、次回の進め方へ反映できる理由を残します。
次回定例の「決めたいこと」からアジェンダを作る
次回のカレンダー予定を開き、会議終了時に決まっていてほしいことを一文で書いてください。続いて、現時点で分かっている事実、相手へ聞きたい質問、提示したい施策、必要な承認者を四つの欄に分けます。
資料を増やす前に、この四欄が埋まるかを確認します。足りない情報が見えたら、会議までに取得する担当を決めます。定例会の質は、当日の話し方より、意思決定に必要な材料を事前に分けられるかで大きく変わります。
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